2011年8月3日水曜日

「食の機能性・安全性、そして安心を科学する」  神戸大学食の安全・安心科学センター・東京大学食の安全研究センター共同開催フォーラム

神戸大学食の安全・安心科学センターと東京大学食の安全研究センターの共催で、「食の機能性・安全性、そして安心を科学する」と題するフォーラムを開催いたします。
当NPOが本フォーラムを後援しておりますので、振るってご参加ください:

神戸大学食の安全・安心科学センター・東京大学食の安全研究センター
共同開催フォーラム
「食の機能性・安全性、そして安心を科学する」  
   
日時:平成23年9月1日(木)~9月2日(金)
会場: 神戸市産業振興センター「ハーバーホール」 

(神戸市中央区東川崎町1丁目8番4号、JR神戸駅より東へ徒歩約5分) 
アクセスはこちらです↓ 
http://www.kobe-ipc.or.jp/access/


プログラム

9月1日(木) ~食品の機能性と安全性~

10:00~10:10 開会の挨拶 
              内田一徳(神戸大学大学院 農学研究科長)
              関崎勉(東京大学大学院 農学生命科学研究科 食の安全研究センター長)

10:10~10:40 「食品の機能や安全性におけるメタボロミクスの応用」
             吉田優(神戸大学大学院 医学研究科准教授)

10:40~11:20 「民間企業での機能性食品開発における取り組み:生体内抗酸化作用に着目したセサミンの開発」
             小野佳子(サントリーウエルネス株式会社 健康科学研究所課長)

11:20~12:10 「食経験が示す安心と科学で証明する安全」
             金沢和樹(神戸大学大学院 農学研究科教授)

13:30~14:20 「食品の機能性と安全性評価」
             清水誠(東京大学大学院 農学生命科学研究科教授)

14:20~15:10 「臨床試験専門家からみた食品の機能性と安全性評価」
             石川秀樹(京都府立医科大学特任教授)

15:30~16:10 「特定保健用食品の許可審査手続き」
             横田紀子(消費者庁 食品表示課 特定保健用食品審査官)

16:20~17:40 パネルディスカッション「食品の機能性と安全性評価の問題点」
            パネリスト:吉田優氏、小野佳子氏、金沢和樹氏、清水誠氏、石川秀樹氏、横田紀子氏

17:40~17:50 第一日目閉会の挨拶
             大澤朗(神戸大学大学院 農学研究科 食の安全・安心科学センター長)

18:00~19:30 懇親会
             神戸市産業振興センター10階レセプションルーム/交流サロン/レストラン宙(SORA)にて


9月2日(金) ~食の「安全」から「安心」へ~

10:00~10:10 開会の挨拶
             大澤朗(神戸大学大学院 農学研究科 食の安全・安心科学センター長)

10:10~11:00 「食の安全・安心と信頼の心理学」
             中谷内一也(同志社大学 心理学部教授)

11:00~12:00 「食の信頼を向上させるためのコミュニケーション」
             中嶋康博(東京大学大学院 農学生命科学研究科准教授)

13:20~14:10 「信頼を紡ぐ ?安全と安心をつなぐために?」
             内田俊一(前消費者庁長官)

14:10~14:50 「食の安全安心に向けた日本生活協同組合連合会の取り組み」
             鬼武一夫(日本生活協同組合連合会 安全政策推進室室長)

15:10~15:40 「食の安全安心に向けたFAMICの取り組み」
             河本幸子(農林水産消費安全技術センター 消費安全情報部長)

15:40~16:10 「食の安全と安心の最適化への取り組み」
             山崎毅(NPO食の安全と安心を科学する会 理事長)

16:20~17:40 パネルディスカッション「安全を知り、安心を得る」
             パネリスト:中谷内一也氏、内田俊一氏、鬼武一夫氏、河本幸子氏、山崎毅

17:40~17:55 「東大・神大センターの取り組み」
             大澤朗(神戸大学大学院 農学研究科 食の安全・安心科学センター長)
             関崎勉(東京大学大学院 農学生命科学研究科 食の安全研究センター長)

17:55~18:00 閉会の挨拶
             関崎勉(東京大学大学院 農学生命科学研究科 食の安全研究センター長)

定員400名(先着申込順)
参加費 無料(懇親会参加の場合は、5,000円を当日受付いたします)

主催 神戸大学大学院農学研究科食の安全・安心科学センター
    東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター

後援 NPO食の安全と安心を科学する会、消費者庁、独立行政法人農林水産消費安全技術センター、財団法人京都高度技術研究所、神戸市、公益財団法人神戸市産業振興財団、日本生活協同組合連合会(順不同)

お問合せ・参加申込先
    〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1神戸大学大学院農学研究科 
             食の安全・安心科学センター
    大澤 朗  (電話/FAX 078-803-5804)
    福田 伊津子(電話/FAX 078-803-5873)
    メールアドレス foodforum2011@people.kobe-u.ac.jp

    参加希望の方は、件名を「フォーラム参加申込」としていただき、
    メール本文に (1)お名前、(2)ご所属・部署・役職、(3)E-mailアドレス、
    (4)参加希望日、(5)懇親会の参加・不参加を明記の上、
    メールにてお申込ください。

    なお、定員の都合によりご参加いただけない場合がございます。
    ご了承ください。

    ⇒ 詳細につきましてはこちら



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2011年7月26日火曜日

生活環境研究所のブログで食の安全と安心フォーラムⅢが紹介されました

株式会社生活環境研究所のブログで、食の安全と安心フォーラム シリーズ第3回 『昨今の食品問題から考える食の安全と安心の未来について』の傍聴記録が紹介されました:

一つ目(関崎先生から杉浦先生まで) http://blog.skk-inc.co.jp/?eid=126892
二つ目(細野先生から山崎先生まで) http://blog.skk-inc.co.jp/?eid=127174

ぜひ内容を閲覧ください。



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2011年7月16日土曜日

花粉症患者に迫る食物アレルギー(口腔アレルギー症候群)
















            京都大学名誉教授・低アレルギー食品開発研究所 小川 正

 覆面アレルゲンの存在によって食物アレルギー患者に引き起こされる不測の事故は、加工食品への特定アレルギー食品(7品目)含有表示を義務付けることで回避している。

 最近、バナナやリンゴを食べて、また豆乳を飲んで突然アレルギー症状を来して救急車で搬送されるケースが増加している。たいていの場合花粉症患者や、食品や医薬関連事業に従事し、ラテックス手袋を常用している成人に多くみられる現象で口腔アレルギー症候群(OAS)とも呼ばれている。

 突然のアレルギー惹起現象は花粉やラテックス中のアレルギー感作抗原(アレルゲンたんぱく質)に対して産生された複数のIgE抗体の内、いくつかの抗体が食品中、特に植物性食品に広く分布する相同性の高いたんぱく質と部分的に交差反応をして引き起こされることが明らかになっている。

 通常のアレルギー食品とは無関係な食材によって突然引き起こされるので、一般にクラス2アレルギー(間接アレルギー)として分類される。交差によるアレルギー症状の惹起の有無は図に示されるように、人によってアレルゲンに対して作られた複数の抗体(ポリクローナル抗体)の種類が異なり、その組み合わせに依存すると考えられるので、すべての花粉症患者がOASを発症するとは限らない。

 近年、医師によるアレルギー患者への回避指導にも多くの難題が増えているなかで、情報が整理されれば消費者への正確な注意喚起も可能になるであろう。とにかく、突然おこるので油断大敵である。


2011年7月5日火曜日

食の安全と安心フォーラム シリーズ第3回 『昨今の食品問題から考える食の安全と安心の未来について』が開催されました。

























<当NPO主催のシンポジウムの抄録集は1冊1000円で販売しております。右記のNPO関西事務局までお問い合わせください>>

 6月26日(日)に「食の安全と安心フォーラム シリーズ第3回」が、東京大学大学院農学生命科学研究科キャンパス フードサイエンス棟内・中島董一郎記念ホールにて開催されました(主催:NPO食の安全と安心を科学する会 (SFSS)、後援:東京大学大学院農学生命科学研究科附属食の安全研究センター)。
 プログラムは以下のとおり、昨今問題となっております食の安全と安心のテーマ(腸管出血性大腸菌O111、O104,口蹄疫、鶏インフルエンザ、飲食物の放射能汚染、リスクコミュニケーションのあり方等々)について、専門家によるご講演と活発なパネルディスカッションがなされました:


プログラム: 
13:00-13:10 オーバービュー局 博一(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター 教授)

【細菌感染による食中毒】     
座長:局 博一(東京大学食の安全研究センター 教授)

13:10-13:40「腸管出血性大腸菌O111による食中毒」
関崎 勉(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター センター長・教授)


【畜産業への打撃と今後の対策】
     座長:倉恒 弘彦(大阪市立大学医学部客員教授)

13:40-14:10「止まない鶏インフルエンザ」
眞鍋 昇(東京大学大学院農学生命科学研究科付属牧場、食の安全研究センター 教授)

14:10-14:40 「わが国の口蹄疫問題」
杉浦勝明(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター 特任教授)

14:40-15:10「家畜衛生をめぐる消費者の意識・知識と行動」
細野ひろみ(東京大学大学院農学生命科学研究科科学的コミュニケーション領域 准教授)

【リスクコミュニケーション:食品企業の必須課題】
  座長:小川 正(京都大学 名誉教授)

15:30-15:50「食品安全に関する消費者心理と行動」
古川雅一(立教大学 特任准教授)

15:50-16:10「食品の放射能汚染による健康影響のエビデンス
山崎 毅 (NPO食の安全と安心を科学する会 理事長)

【パネルディスカッション】
16:15-17:15「食の安全と安心をおびやかす問題とその対策を徹底討論」
パネラー:関崎、眞鍋、杉浦、細野、古川、局、山崎

<<当NPO主催のシンポジウムの抄録集は1冊1000円で販売しております。右記のNPO関西事務局までお問い合わせください>>


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2011年6月12日日曜日

HACCAPと小売業HACCAPについて

                 HACCAP指導者・イラストレーター 源 竜弥











 HACCPとは「危害を分析して重要な管理点を見つける」という英語の頭文字をとったもので、1960年代にアメリカで生まれた新しい衛生管理手法です。安全な宇宙食を製造するために開発されました。

 まずは、一つの食品を作るまでのすべての工程を調べます。そして各工程に潜む、微生物学的危害、物理的危害、化学危害の要因を予測、分析します。ここさえ押さえて全てを監視すれば完成した食品の安全を担保できる管理ポイント(CCP)を見つけて管理する。これがHACCAPの主な流れです。

 最終商品の抜き取り検査で安全を保障していた当時では画期的な手法でした。有効性を確認したアメリカでは全業種にこの手法を取り入れるよう義務化しましたが、商品の種類が多く、頻繁にメニューが変わるレストランや給食、弁当総菜業のような小売業には導入が難しく、なかなか普及しませんでした。

 そこで登場したのが「小売業HACCAP」です。無数にある商品3カテゴリーに分類して、その3つのグループの作業工程ごとに重要管理点を決めて、ルール通りに作業を行う、とてもシンプルなHACCAPです。

 日本でも、毎月、必ずどこかの飲食店や弁当総菜店等の小売店で食中毒事故が発生しています。この画期的な「小売業HACCAP」を是非わが国でも普及させて、食中毒事故を少しでも軽減出来ればと願っています。


参考文献 FDA Managed Food Safety ; A Manual For the Voluntary Use of HACCAPPrinciples for Operator of Food Service and Retail Establishments


以上

2011年6月3日金曜日

食の安全と安心フォーラム シリーズ第3回

テーマ: 昨今の食品問題から考える食の安全と安心の未来について

期日:2011年6月26日(日)13:00~17:30
場所:東京大学大学院農学生命科学研究科キャンパス(文京区弥生1-1-1)
   フードサイエンス棟内・中島董一郎記念ホール
主催:NPO食の安全と安心を科学する会 (SFSS)
後援:東京大学大学院農学生命科学研究科附属食の安全研究センター

参加登録:事前登録制 ⇒ nposfss@gmail.com(参加申込み先)
件名に「6/26参加希望」、本文に参加者の氏名、所属機関(複数可)をご明記下さい。
FAXの場合はSFSS関西事務局まで ⇒ FAX:06-6362-0191

参加費:お一人様3千円(当日受付にてお支払いください)


プログラム:
     進行:芦内 裕実(NPO食の安全と安心を科学する会 理事)
13:00-13:10 オーバービュー
局 博一(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター 教授)

【細菌感染による食中毒】
     座長:局 博一(東京大学食の安全研究センター 教授)
13:10-13:40「腸管出血性大腸菌O111による食中毒」
関崎 勉(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター センター長・教授)

【畜産業への打撃と今後の対策】
     座長:倉恒 弘彦(大阪市立大学医学部客員教授)
13:40-14:10「止まない鶏インフルエンザ」
眞鍋 昇(東京大学大学院農学生命科学研究科付属牧場、食の安全研究センター 教授)

14:10-14:40 「わが国の口蹄疫問題」
杉浦勝明(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター 特任教授)

14:40-15:10「家畜衛生をめぐる消費者の意識・知識と行動」
細野ひろみ(東京大学大学院農学生命科学研究科科学的コミュニケーション領域 准教授)

15:10-15:30 休憩

【リスクコミュニケーション:食品企業の必須課題】
  座長:小川 正(京都大学 名誉教授)
15:30-15:50「食品安全に関する消費者心理と行動」
古川雅一(立教大学 特任准教授)

15:50-16:10「食品の放射能汚染による健康影響のエビデンス」
山崎 毅 (NPO食の安全と安心を科学する会 理事長)

【パネルディスカッション】
16:15-17:15「食の安全と安心をおびやかす問題とその対策を徹底討論」
パネラー:関崎、眞鍋、杉浦、細野、古川、局、山崎
*参加者からのご質問にパネラーがお答えします!

広告・寄付:当NPO活動にご賛同くださる個人様・法人様より1口5万円から受付けております。
お問合せ先:SFSS関西事務局 担当:十和(そわ)TEL:06-6362-0171

2011年5月2日月曜日

食の安全と安心フォーラム シリーズ第1回

テーマ:飲食物の放射能汚染の問題も含めた食の安全と安心の未来について

日時:2011年4月11日(月)15:00~18:00
場所:東京大学大学院農学生命科学研究科フードサイエンス棟503号室
主催:NPO食の安全と安心を科学する会(SFSS)
出席者(敬称略):小野寺、、杉浦、花房(以上、東京大学食の安全研究センター)、小野(OSGコーポレーション)、局、森井、眞鍋、古川、高橋、守山、山崎(以上、SFSS)


【配布資料】
・東北地方太平洋沖地震の原子力発電所への影響と食品の安全性について(第23報)(平成23年3月16日作成 平成23年4月8日更新 食品安全委員会)
・放射性物質に関する緊急とりまとめ」のポイント(平成23年3月29日食品安全委員会)
・食品安全委員会委員長からのメッセージ(緊急とりまとめを終えて) 平成23年4月8日
⇒食品安全委員会情報はこちら
・日経ヘルス記事(2011.4.72011.4.8
・NPO食の安全と安心を科学する会(SFSS) 理事長雑感ブログ(2011.3.26.
・福島原発の放射能を理解する(眞鍋先生配布資料抜粋)
・局先生見解(2011.4.7)、源理事見解(2011.4.2)


【内容】
山崎)
昨年末、東京大学フードサイエンス棟にて、当NPOのシンポジウムを開催した(東京大学フードサイエンス棟竣工記念シンポジウム2010年12月10日、11日)。本日は今回の地震による原発事故の規制や被災地農家の風評被害について緊急座談会を開催し、6月のシンポジウムに繋げたい。なお本NPOは本年2月に登記を完了した。

今回の地震による原発事故についての規制は、3/29厚生労働大臣より召集を受けた食品安全委員会の暫定規制値が根拠となり、出荷制限が行われている。しかし、小泉直子委員長のメッセージである「緊急とりまとめは、かなり安全側に立ったものであり・・・」という現実とは乖離した「厳しすぎる」保守的な暫定基準値の内容から、実際には被災地である福島県や茨城県の被災地の農家に大きな風評被害が発生している。
当NPOの山崎理事長からも、審議中に内閣府食品安全委員会に、暫定規制値は「厳しすぎる」、すなわち風評被害は人災であり、多くの農家が被害を受けるため、規制値の見直しを提言するも、そのままの形で暫定値が出された。

局)
不安を感じている国民に対し、「本当に安全である」という明確なメッセージの発信が必要。当然、その担保となる安全性のデータを提示した上で、これらの発信を行うことが必要である。行政自体も、一度ではなく、何度も繰り返しメッセージを流すことが必要ではないか?行政指導の下で安全性の検査を行い、これらの検査を実施したものについては「検査済」と表示して出荷すること。

小野寺)
民主党の蓮航議員が野菜を食べるより、葛飾浄水で石原都知事が水を飲んだのは説得力があったように思う。

山崎)
海には境界がないため、漁業も相当に深刻な状況である。もう魚は買ってもらえないので、漁自体を止めていると聞く。売り物にならないから、卸段階で拒否するような例もある。
一方、日経MJの記事にもあるように、サブウェイ、モスバーガーは企業自身が検査を行い、「検査済」として物を流通させているような例もある。

古川)
今回の政府やマスコミ報道を見て思うのは、報道情報が複雑すぎる。一般消費者に正しく理解してもらうためには、シンプルな情報発信を、何度も繰り返すことが必要である。官房長官の枝野さんの発言もややこしい。そもそも「放射能」という言葉自体が怖い上に、例えば、便器の水や下水が1滴入っていて、その水が安全性に問題なく、「きれい」と言われてもその比較は意味がない。国民に対しては「安全ということ」だけを伝えること。また(安全だという)映像をわかりやすいビジュアルで表現すること、「(被災地の農産物を)食べている姿」等を映し出すこと。その時の根拠として、検査結果を手段として使うこと。政治家より、誰がやるか、つまり、信用がある人がやること、どういうイメージを持った人がやるかが重要である。落ちてしまったイメージというものは回復できない。

山崎)
日経ヘルスに掲載された小黒一正氏の発言によると、「風評が起こる時の問題は、なぜ汚染がゼロか否かも含め汚染度に関する「情報」が存在しないから」とある。また、「情報の経済学によると、汚染の度合いについての情報を優位にもつ農産物の生産者と、その情報が皆無に近い消費者の間で、「情報の非対称性」が発生している。その対策として、「シグナリング」と「スクリーニング」があるが、問題はスクリーニングが十分に機能していないこと。サンプリング検査はできても、政府はすべての農産物の安全性を確認することはできない。そのため、国民が疑念を抱くとのこと。

杉浦)
今回の放射能の問題は、BSE問題の時と違って、YES、NOがない。既に何ベクレルという数字が出てきており、基準内で低いものが良いとなる。当然、消費者としては、YES、NOが欲しい。

古川)
民間がやる前に、行政が仕組みの確立を行うべきである。しかし、そうすると検査されてないものが排除されるようになる。その結果、検査されてないものは一律ダメとなり、風評被害が発生することになる。

局)
食品安全委員会も健康栄養評価を行っている。その他にも、土壌汚染、 長期的なアプローチ、 ICRP、WHO等の世界的なサポートも必要であろう。

山崎)
現在の規制は、福島県、茨城県、千葉県等の都道府県レベルでの規制という問題もある。さらに海外からは輸入制限を受ける等、海外からみたらJAPANという考え方もされている。今後は継続的なモニタリングの必要性が急務。出荷制限していない茨城、福島の野菜に対して、当NPOがどうやって、データとわかりやすさで情報を発信するか。

日経ヘルスを初め、専門家の意見等から、日本人の40歳以上の50%がガンにかかる可能性がある。今回の原発事故の影響で、50%が50.5%になるだけとも考えられなくもない。
但し、ヨウ素は甲状腺に集積されるため、乳幼児に対するヨウ素の問題はあり、甲状腺ガンの可能性がある。チェルノブイリは乳幼児の甲状腺ガンのみ。一方、セシウムはガンにならないとされている。また現段階では明確なエビデンスもないのが現状。


局)
トータル被爆量、年代別被爆量などがデータとして必要。現段階では、低量被爆のデータはない。大量被爆や内部被爆とも違いがあるのではないか?ストーリー性、ビジュアル性を持って、もちろん科学者としての根拠を持って、現実案を提示すべき。実際にはカビ、アフラトキシンなどの危険性と比べてもかなり低い。しかし、これらの規制は国際基準から入るため、日本に合わせて基準の見直しが必要であろう。教育や根拠となるデータが必要となる。

眞鍋)
放射能の話は悪い話ばかりが報道される。先日の新聞の一面でも間違った情報が掲載されたが、訂正文は非常に小さい。メディアは安全の情報を取り上げない。

局)
ツチクジラ、イルカなど食物連鎖の上に立つもので定期的なモニタリングをするべき。過去のデータにもあるはず。チェルノブイリ事故の際に一時的に放射能の測定値が上がったデータがあったように思う。

山崎)
当NPOでは、科学的なデータをもとに「これは間違いない」という安全と安心な情報を、ホームページ等を通じて発信していく。良い情報、学術啓発を通じ、安心を伝えるという広報活動を積極的に行っていく。
その一環として、今回のトピックスはさらに問題が継続すると思われるので、6月下旬に東大でシンポジウムを計画している。

以上

文責 守山 治(SFSS 広報部長)

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