2011年6月12日日曜日

HACCAPと小売業HACCAPについて

                 HACCAP指導者・イラストレーター 源 竜弥











 HACCPとは「危害を分析して重要な管理点を見つける」という英語の頭文字をとったもので、1960年代にアメリカで生まれた新しい衛生管理手法です。安全な宇宙食を製造するために開発されました。

 まずは、一つの食品を作るまでのすべての工程を調べます。そして各工程に潜む、微生物学的危害、物理的危害、化学危害の要因を予測、分析します。ここさえ押さえて全てを監視すれば完成した食品の安全を担保できる管理ポイント(CCP)を見つけて管理する。これがHACCAPの主な流れです。

 最終商品の抜き取り検査で安全を保障していた当時では画期的な手法でした。有効性を確認したアメリカでは全業種にこの手法を取り入れるよう義務化しましたが、商品の種類が多く、頻繁にメニューが変わるレストランや給食、弁当総菜業のような小売業には導入が難しく、なかなか普及しませんでした。

 そこで登場したのが「小売業HACCAP」です。無数にある商品3カテゴリーに分類して、その3つのグループの作業工程ごとに重要管理点を決めて、ルール通りに作業を行う、とてもシンプルなHACCAPです。

 日本でも、毎月、必ずどこかの飲食店や弁当総菜店等の小売店で食中毒事故が発生しています。この画期的な「小売業HACCAP」を是非わが国でも普及させて、食中毒事故を少しでも軽減出来ればと願っています。


参考文献 FDA Managed Food Safety ; A Manual For the Voluntary Use of HACCAPPrinciples for Operator of Food Service and Retail Establishments


以上

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